みやもんのブログ

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簿記3級の複雑な貸し倒れの仕分けについて詳しく説明

簿記3級の貸し倒れについて自分の中で大まかな理解ができたので、アウトプットも兼ねてまとめてみようと思います。

そもそも貸し倒れとは?

貸し倒れとは発生した売上債権が回収できなくなることです。

 

は?と思う方が多いと思いますので、詳しく説明します。

 

まず売上債権とは、具体的に言うと売掛金受取手形のことです。

ざっくりいうと、相手から受け取ることができる借金のことです。

 

売上債権・・・相手から受け取ることができる借金

 

つまり、貸し倒れとは借金が回収できなくなることです。

 

例えば、取引先の会社に掛けで販売(売掛金発生)すると、後に取引先の会社から債権を受け取ることができます。

しかし、取引先の会社が倒産すると、売掛金が回収できなくなります。

 

これが貸し倒れです。

貸し倒れの仕分けは複雑なものが多い

貸し倒れの仕分けは複雑すぎて、理解するのに時間がかかります。

 

僕自身も勉強を始めた5か月目の最近ようやく理解できたところです。

 

今回は、貸し倒れの仕分けについてまとめます。

貸し倒れの仕分けで使う用語と貸し倒れの仕分け

まず貸し倒れを仕分けするときに使う用語を紹介します。

  1. 貸倒引当金
  2. 貸倒引当金繰入
  3. 貸倒損失
  4. 償却債権取立益

簿記3級で出てくる貸し倒れの勘定科目は上の4つです。

貸倒引当金(負債)

貸倒引当金とは事前に貸し倒れを想定して、負債として計上する勘定科目です。

 

正式には資産のマイナスですが、負債として覚えておいて問題ありません。

貸倒引当金繰入(費用)

貸倒引当金繰入とは、新たに貸倒引当金を設定した時に、前に設定した貸倒引当金にプラスした費用のことです。

勘定科目は費用です。

 

1000(新たに設定した貸倒引当金)-800(前に設定した貸倒引当金

=200(貸倒引当金繰入)

貸倒引当金と貸倒引当金繰入を使った仕分け

貸倒引当金と貸倒引当金繰入を使った仕分けを問題形式で紹介します。

 

Q

A社はB社の売上債権に対して800円の貸し倒れを想定していた。

しかし、A社はB社に対して、新たに1000円の貸倒引当金を設定した。

なお貸倒引当金は差額補充法により設定する。

 

貸倒引当金繰入200/貸倒引当金200

 

解説

まず差額補充法という言葉に注目してください。

 

差額補充法とは新たな貸倒引当金から、もともと設定していた貸倒引当金を引いた額です。

 

また、差額補充法で求めた金額は貸倒引当金繰入になります。

差額補充法で求めた金額=貸倒引当金繰入と理解していただいて大丈夫です。

 

1000(新たに設定した貸倒引当金)ー800(もともと設定していた貸倒引当金)=200

 

差額補充法により求めた200円がなぜ貸倒引当金繰入になるのかというと、もともと設定していた貸倒引当金800から200円繰り入れて、貸倒引当金1000になったので貸倒引当金繰入として処理することができます。

 

また、貸倒引当金も800から1000に増えたので、貸倒引当金の増加(負債の増加)になるので、

 

貸倒引当金繰入200(費用の増加)/貸倒引当金200(負債の増加)

として仕分けを書くことができます。

貸倒損失

貸倒損失とは、当期に発生した売上債権が回収できなくなることです。

 

問題では次のように出題されます。

 

当期発生の売掛金1000円が、当期中に貸し倒れとなった。

 

貸倒損失1000/売掛金1000

 

解説

売掛金は資産なので通常、左(借方)に仕分けされます。

 

掛けで1000円販売した場合

売掛金1000/売上1000

 

しかし、問題では当期中に貸し倒れたことになっているので、売掛金が回収できなくなる(資産の減少)で借方から貸方に移ります。

 

その代わり、売掛金が回収できなくなったので、貸倒損失(費用の増加)となり、借方に貸倒損失が仕分けされます。

 

貸倒損失(費用の増加)/売掛金(資産の減少)

 

注意することとして、貸倒損失は当期に発生した売上債権が当期に回収できなくなったときに使う勘定科目なので、前期に発生した売上債権が当期に貸し倒れになっても、貸倒損失を使うことはできません。

貸倒引当金と貸倒損失が混ざったパターン

貸倒引当金と貸倒損失が混ざったパターンの問題が出題されることもあります。

 

当期に売掛金が1000円貸倒となった。

また当社では前期に貸倒引当金として800円設定していた。

 

貸倒引当金800 貸倒損失200

/売掛金1000

 

解説

売掛金が1000円貸倒となるので借方から貸方に移ります(資産の減少)。

 

そして、前期に設定した貸倒引当金で、当期に貸し倒れた1000円のうち800円を貸倒引当金として処理します(負債の減少)。

 

その後、当期に発生した1000円のうち200円を貸倒損失で処理します(費用の増加)。

 

貸倒引当金800(負債の減少)貸倒損失200(費用の増加)

/売掛金1000(資産の減少)

 

貸倒引当金は前期に設定した金額の上限までしか、当期中の貸し倒れを処理できません。

 

つまり、1000円のうち800円は前期の貸倒引当金で処理して、残りの200円は前期に設定した貸倒引当金800では足りないので、貸倒損失として処理したということです。

償却債権取立益

前期に貸し倒れした売上債権が、当期に回収できたら償却債権取立益で処理します。

 

償却債権取立益は資産の勘定科目になります。

 

前期に貸し倒れた売掛金1000円のうち800円が当期に回収することができた。

 

A

売掛金800/償却債権取立益800

 

前期に1000円貸し倒れたので、貸方の方に売掛金の減少1000円として処理されていたことになります。

 

前期の期中に貸し倒れたので、借方は貸倒損失になります。

 

貸倒損失1000/売掛金1000

 

問題文を見ると、前期の売掛金のうち800円が回収できたので、売掛金が増えたことになります(資産の増加)。

 

なので、左の借方に売掛金800として処理します。

 

売掛金800/?

 

そして、前期に貸し倒れた売掛金のうち800が当期に回収できたので、右の貸方に償却債権取立益(収益の増加)として処理します。

 

売掛金800/償却債権取立益800

 

最後に、償却債権取立益は前期の売上債権が当期に回収されたときに使う勘定科目です。

なので、当期に貸し倒れた売上債権が回収されたとしても、償却債権取立益を使うことはできません。

 

まとめ

今回紹介した貸し倒れの勘定科目は次の4つです。

  1. 貸倒引当金(資産のマイナス、負債)
  2. 貸倒引当金繰入(費用)
  3. 貸倒損失(費用)
  4. 償却債権取立益(収益)

複雑な仕訳が多いですが、何回も何回も問題演習をすることで身に付きます。

 

また、テキストを読むだけでは、なかなか身につかないので、早く身に着けるためは問題演習が大事なので、地道に問題演習を行いましょう。